筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 2022第20話
波乱の2021年が終わって2022年の目標は入院は0目標。
それほど2021年は入退院を繰り返した。
高校2年の時に右肺に気胸。
そして2021年 気胸を3回。縦隔気腫を
1回。
そしてVT(心室頻拍)を起こしたのが
1回。
救急車を呼んだのが4?5回?だったか…
もっとあったような気もするなぁ 笑
心が折れそうな時も何回もあった。
ふー君も そうだったらしい。
まぁ そりゃ当然か
そして入院中に誕生日を迎え成人に
なった。
なんだかんだ 冬頃から入院する事も
無くなり 今度は排痰問題。
毎日毎日 痰と格闘した。
訪看さん、ヘルパーさん、STさんに
相談したり、病院に電話で聞いたり
受診の度に困ってる事を伝えたり 笑
本当にどうすればいいのか わからなかった。
でもふー君の頑張りもあって、
だんだんトラブルが少なくなって
きた。
本当に次から次へと何かが起こった。
僕達もふー君も成長した。
お試し入院で習ったバイブレーションも毎朝実行。
少しずつ前の生活を取り戻してきた
ような感じ。
少し固形物も取れるようになってきたし、何より食べたい!と言う言葉が
出てきた。
茶碗蒸しの具やマグロのタタキ。
少しずつ少しずつ 慌てない慌てない。
その数日前に肩のだるさ、なんとなくの背中の痛み。
Spo2も問題なかったし痛みも消えて
いた受診日当日。
病院について採血とレントゲン等 一通り検査をする。
本人も絶好調らしく全然心配して
いなかった。
診察室に呼ばれママちゃんと2人で
診察。
初見の年配の先生だった。
「二酸化炭素が微妙に高いけど、これは?」
ふー君
「いつもこんな感じです」
カチカチと電子カルテをめくり
「あーほんとだね、こんなもんなんだね」
ふむ…
「んーと、」
レントゲン写真を見て
「これは〜…んー…気胸かな…」
「前のレントゲンと比べてみようか」
カチカチ…
「多いねレントゲン、なんでこんなに撮ってるのかなぁ」
「気胸を繰り返しまして…」
「あーだからか、なるほど、んー」
「薬とか処方して欲しいのある?」
固まった ふー君もママちゃん。
また入院なのかと 驚いていた。
「あ、エンシュアがもうあまりないです」
「わかった、出しとくね。じゃあ次は
3ヶ月後に」
帰っていいのか?と思いながら あえて深く突っ込まなかったらしい 笑
そりゃそうなるよね 笑
そんな事があった次の日
背中の痛み、肩の痛みを感じた
ふー君。
去年から少し神経質になっている。
「ちょっと痛みが気になる…」
「大丈夫や、大した事ないから帰らせてくれたんやから、気にせんとき」
「んー、そうかなぁ」
そして次の日も気になる。
「今日はあんまり無理したくないなぁ」
「気にしすぎやって、せっかく良くなってきたのに また元に戻るの?」
「また病院行ったら、要注意人物なるで」
「あかんかったら入院してるって、
信じよ」
「気胸やとしても、日にち薬。安静にするだけやん。」
「また入院にでもなったら、気切の
話が進む。そういうのも考えた?」
「んー…そうやねんけど」
「でも痛いとか、ヤバそうって感覚はお父さんにはわからん」
「それでも診察してもらうって言うなら連れていくよ」
「1番大事なのは身体や、気切の話が
進んでも それはしゃーないし、自分で決めなさい」
少し責めてしまった…
あれだけ気胸を繰り返したんだから、不安なんだろう。
でも また病院に行くのは正直 抵抗が
あった。
また あの入院の繰り返しが始まるのかと思うと怖かったんだな。
結局 自分が弱いだけ。
だから なんとか 行かせない方向に
話をしてた。
そして、何日か経って仕事中に連絡が来た。
ふー君から
やっぱりだるさが気になるから 病院に行って確認したい。
気切の事も考えたけど、不安なまま
過ごすのも嫌。
そうだよね。正論。
次の日、休みを取って病院に行く事にした。
朝からゆっくり準備をして病院へ。
経緯を話して再受診。
予約も無いので2人でのんびり待つ。
Spo2も体調も絶好調。痛みもだるさも無し。
「絶対大丈夫やん 笑」
「ほんまやな、なんで来たんか わからんなってきた 笑」
「お前が行く言うからやん 笑」
雑談しながら待つ。
検査を済ませてくるように言われ検査に回る。
レントゲン、CTだけ。
待合室もすっかり人がいなくなった頃に呼ばれた。
今度もまた見たことが無い先生。
「よろしくお願いします」
椅子に座り、電子カルテの横のモニターを見る。
レントゲン写真とCT画像が写ってた。
え…これ……
「こんにちは、んーと 胸痛い?
しんどくない?」
「はい、痛みはないです。しんどくも無いです」
「そっか、んーと」
モニターを見ながら
「気胸だね、ドレーン入れなあかんわ」
「今日、入ってもらわな あきませんね」
ちーーーーーん……
モニターを見ながら説明。
「えーとここね、空気層、もう塞がってるかも知れないけど 結構大きい層がある。」
部屋に入った瞬間に見たモニター画像。
素人でもわかるぐらいの大きな気胸。
CT画像でもバッチリ。
1発でわかったけど、信じたくないので過去の画像だろうと思ってたのに。笑
今回のかいっ!
ふー君も僕も一瞬絶句したけど、すぐ立ち直った。
立ち直ったふりね 笑
小さい気胸なら、連れて帰ろうと
思ってたけど素人目に見ても大きい。
左肺の4分の1ぐらい空気層がある。
こりゃダメだ。すぐ諦めた。笑
でもとりあえず質問。
「結構大きいのにSpo2悪くないし痛みも苦しさもないんですけど」
「たぶん 使ってる量が少ないんだろうね、運動してる人とかなら わかると
思うよ」
「右肺が癒着して反動で左肺ですか?」
「んー無いとは言えないけど、呼吸器の圧で破れるとは思えないなぁ」
「1番の原因は感染症か栄養状態かなぁ」
「あとは姿勢で変に圧かかったとか」
「まぁとりあえずドレーン入れて癒着するかは また話しよう」
「了解ッス」
凹んだ 笑 すぐ立ち直ったけど 笑
「しゃーない、はよ帰ってこい。
最短で帰れ」
「わかった、新記録で帰る」
念の為、1泊ぐらいの荷物は積んであるので そのまま入院の手続きへ。
コロナ禍で やはりPCR検査を受けてから 個室に入室。
お昼前に病院に来て、もう19時を
回ってた。
しばらくすると、担当の看護師さん達が挨拶に来てくれた。
ドレーンを行ってくれる先生も挨拶と説明に来てくれた。
準備が出来次第 ドレーンを入れると
言う事で2人で なんだかんだ話しながら待つ。
「やっぱり俺ってもってるわ」
「なにが?」
「看護師さん達も頼りになるメンバーやし、担当医の先生もいつもの先生やん」
「ドレーンの先生も あの先生が良かったし、だから やっぱり 俺ってもってる」
なんかよくわからんが、前向きなら
それでいいなと 適当に返事しといた。
たぶん 自分を奮い立たせてるとこも
あるんだろう。
しばらくすると 人が集まり出して 外で待機するように言われた。
「頑張れよ、ほなっ!」
「はーい」
その間に足りない物を売店で買ったりして待ってた。
小一時間もすると 先生が説明に来てくれる。
「無事に終わりました。綺麗に入ってると思います。」
「肺の穴は塞がってそうで、空気漏れもありません。」
「空気が抜けて肺が膨らんで落ち着いたら、癒着する方向になると思います。」
「ありがとうございます。」
「右肺を癒着してるんですけど、左肺も癒着するって言うのは よくあるんですか?」
「あ、はい。全然ありますよ。右肺
気胸して次は左肺、今度はまた右肺
みたいに繰り返す人は結構いますからね」
「そうなんですね、わかりました。
ありがとうございます。」
ふー君の病室に戻る。
「おつかれ〜」
「今日はとりあえず入れただけ、明日レントゲン撮って問題無ければ 陰圧かけて 空気抜いてくってさ」
「今回は前の方に入れてくれたわ、
空気は上に上がるから 前の方が抜けやすいって。」
「筋膜を切り裂くらしいから、外科の先生じゃないとあかんねんて〜」
「ふーん、色々あるんやなぁ」
「痛み止めはとりあえず頼んだ」
「そっかそっか」
とりあえず荷物を整理していると食事が運ばれてきてたようで、食事介助をして帰った。
いいのか悪いのか 2021年の
入院ラッシュで手馴れた物になって
しまった2月の話。