2021春① 気胸 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ

筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ
Facebook にシェア
Pocket
LINEで送る

筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 2021年第1話

19歳のふー君

ブログを始めた2021年1月からのお話です。

備忘録的なブログのつもりだったけど

早速忘れそうなので、ブログを始めてから起こった事を。

コロナ禍の中で大学生活を送っていたふー君。

もうすぐ1年生も終わりになる頃。

普段の診療は近くのクリニックで、基本的な診療の指示は大学病院の先生がしてくれていた。

毎月の薬の処方や体調管理も近くのクリニックに月1で通院して診てもらっていた。

いつも通りに受診するためにお世話になっているヘルパーさんとクリニックへ。

普段通りのいつもの光景

ヘルパーさんと話しながらクリニックへ向かう途中、ちょっとした拍子にむせてしまった。

後から聞いた話では、ギリギリまで寝ていたふー君。

クリニックが閉まる時間になり急いでご飯を食べたことが原因かもしれないそうだ。

軽い咳が出る状態だけだったので そのまま診察してもらう。

受診が済んで会計が終わるまでの間にさらに咳がひどくなっている。

ある程度 進行が進んでいるふー君は咳をする力も弱くなっていた。

むせてしまうとさすってもらったり家に常備しているカフアシストでしのぐ。

そのままクリニックで ふー君がヘルパーさんにお願いしてさすってもらっていたようだ。

診療時間も終わってしまいロビーには誰もいなくなっていた。

ふー君がママちゃんの携帯に連絡をする。

近くの会社でパートに出ていたママちゃん。

ちょうど昼休みにふー君から連絡が来てクリニックに駆けつけたそうだ。

クリニックでも相変わらず むせ続けるふー君。

そこのクリニックには吸引器などの機材がなかった。

あっという間に

駆けつけたママちゃんが いつものようにさすってみる。

でも上手く出せなかった。

ママちゃんは このまま家に連れて帰りカフアシストでなんとかしようと思ったらしい。

ちょうどその時クリニックの先生がロビーを通りかかった。

異変に気付いた先生が声を掛けてくれ事情を説明する。

肩で息をして苦しそうなふー君。

SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を計測すると93~94の数字を表していた。

これはダメだと言う事で慌てて酸素を鼻から投入する。

毎分2リットルの酸素を投入しても

94程度にしか上昇しなかった。

診察してから あっという間に呼吸状態が悪くなっていた。

先生の判断

クリニックの先生は設備の整った地域の医療センターに行くことを提案してくれた。

家に戻る余裕もないと判断したクリニックの先生が救急車を手配して紹介状を短時間で書いて下さり医療センターへの搬送を調整してくれた。

その時に初めてママちゃんからDaddyの携帯に連絡があった。

昼休みも終わり仕事をしていたDaddyも事情を話してクリニックに駆けつけた。

救急車はクリニックに到着してて受け入れ先の医療センターの調整待ちだった。

クリニックの先生と色々対応してくれていた看護師さんに経緯を聞いてお礼を言う。

そして救急車の後ろのドアを開けてもらい やっとふー君とママちゃんとご対面。

思ったより元気そうで ちゃんと受け答えもできていた。

少し安心したけど呼吸状態は良くないままだった。

そしてそのまま産まれた時からお世話になっている地域の医療センターへ搬送されたのだ。

ふー君が生まれた場所へ

医療センターで生まれたふー君。

今はもう19歳になり酸素を投与されながらの凱旋となった。

産まれた時に在籍していた先生達がまだ何人か勤務されていた。

顔見知りがいるというのは心強い。

検査した結果、右の肺が

気胸

という病気になっていた。

気胸は簡単に言えば肺に穴があく症状。

痰を詰まらせたことによって咳を何度も繰り返した時、圧が肺に均等にかからず破れてしまった。

病気による肺機能の低下等が原因ではないか、という話だ。

肺に穴が開いているから十分に酸素が取り込めない状態になっている。

幸い気胸の穴は小さく手術ではなく経過観察でなんとか塞がるでしょうと言う診断。

そのまま症状が落ち着くまでは酸素投与を続け入院になった。

幸い、大学は春休みの時期。

入院して3,4日経った頃に経過観察のためにCTを撮る。

肺の空気が胸の中に溜まっている事がわかった。

胸腔ドレナージ

肺の外に溜まった空気が邪魔をして肺が膨らむのを妨げている。

少し体力が戻ってきた時点で胸腔ドレナージを行うと提案された。

胸腔ドレナージとは簡単に言うと胸に穴を開けて肺から漏れた邪魔な空気を外に出すというもの。

その時のふー君は思った通りに酸素が取り込めずにいる。

いつ見ても苦しそうだった。

普通ならコロナ禍で面会も出来なかった時期だけど、産まれた時からのルートで入院させてもらっていたので小児科に入院していたふー君。

検温と感染防止の徹底で家族1人のみなら付き添いOKというルールで面会は出来ていた。

昼間はママちゃんが休める時は休んで付き添い。

できない時は看護師さんにお願いしたりする。

ある日、仕事が終わって付き添いするのに病室に向かった。

ふー君の病室からたくさんの看護師さん達が バタバタと出入りしている。

「え…なになに…」

何かあったのかと 病室を覗き込むとふー君のベッドの周りに人だかり。

覗き込んでいるDaddyに看護師さんが

「あ、お父さん今はちょっとこちらに」

と説明もされないまま 押し出されてしまった。

へんな緊張感のある病室から待合室で待たされる。

しばらくすると担当の医師がやってきて

「あ、お父さんビックリしましたね、すいません。」

「なにかありましたか?…」

と恐る恐る聞くと

「胸腔ドレナージを急にやることになりまして、ふー君の体調とタイミングも良かったし専門の先生も空いていたので」

「あー、そういうことですか、ビックリしました笑」

ドレナージの処置は了解済みだったがタイミングは先生にお任せしてたので このタイミングになってしまったそうだ。

「人だかりで姿が見えなかったから 不安でした(笑)」

「そうですね、すいません笑」

なんにせよ、これで呼吸も楽になるならOKOKだ。

変な緊張感で実はめちゃくちゃ焦っていたDaddyでした笑

次の話へ

HOME

サイトマップ

筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ