第19話 交通事故 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ

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筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第19話

マイペースなふー君

1年生の生活にもかなり慣れ 友達も ふー君のキャラをかなり理解してきた。

授業もみんなと同じ授業を受けていた。

もちろん体育も同じメニュー。

みんなと同じようには できないものの 一緒に参加していた。

できなくても特に気にしなかった ふー君のキャラに親の僕達も 救われた部分がたくさんあったとおもう。

良くも悪くもマイペースなふー君。

休みには遊園地に行ったりよく出かけてた。

こういう優しいのがお気に入りな様子

支援学級の先生には、階段を使ったりする時だけ 見守ってもらったりしてた。

やってみてわかること

放課後は小学校1年生の半ば過ぎぐらいから 下手くそながらも自転車を乗り回すようになった。

自転車に乗れればある程度 不便ではないだろうと思ってたけど、心配度は 半端なかった(笑)

乗れてもゆっくり走るふー君。

同級生達は立ち漕ぎしたり競走したり ついていけなくて 迷子になり帰ってくることも しばしばだった。

自転車に乗っても やはり差はあるんだなぁと 甘かったなぁ なんて 思う。

まぁ それも経験

自転車に乗れるようになったからこその経験

なんでも経験して欲しかったから見守ってた。

家にすけまるといるママちゃんは もっと心配だったろうな。

駆け込んできた友達

ある日 友達と家から5分程の場所で遊んでいたふー君。

家ですけまると 過ごしていたママちゃんの所に友達が慌てて駆け込んできた。

「ふー君のお母さん!大変!」

「どしたのー?R君」

「ふー君が!車に轢かれた!」

「ええええええええええ!」

すけまるを慌てて抱っこして 走って駆けつけたママちゃん。

道の真ん中で寝転び 声をあげて泣いているふー君がいた。

「どないしたーん!」

と言いながら抱き上げるママちゃん。

見たところ 大きな怪我はなさそうだった。

そこには 心配そうな初老の夫婦が立っていた。

「あのすいません、お母さんですか!

「はい」

「すいません、病院連れていきますから乗ってください!」

と言われ友達にお礼を言って車に乗せてもらい病院に連れて行ってもらう。

色々調べてもらった結果、骨には異常なし手の平に少し擦り傷があるぐらいだった。

病院の先生は

「骨とかには異常ないですが、後で何かあってもいけないので 何回か通うように」

心配そうな初老の夫婦。スッカリ切り替えたふー君。

「またおいで〜」

と優しくお医者さんに言われニコニコしてるふー君

「またくるわー」

大人の気持ちも知らず帰りの車内でも ベラベラと 余計な事を話してたらしい(笑)

お礼を言って そのまま家まで送ってもらったそうだ。

ふー君の武勇伝

その出来事を仕事が終わって家に帰ってから聞いた。

ママちゃんが ひと通り説明してくれたけど ふー君からも聞きたかった。

ご飯を食べながら ふー君に聞いてみる。

「車に轢かれたんやってな、どうなったん?」

「轢かれたんちゃうねん!踏まれてん!」

「へ?踏まれたん?どこ踏まれたん?」

「手!」

「わからんから、ちゃんと説明しよか」

そう言うと嬉しそうに武勇伝を説明してくれた。

簡単に説明すると友達と自転車で遊んでいた時に自転車で転んだふー君。

立ち上がろうとしてたけど、立ち上がるのに時間がかかってる時に車が横を通過。

その時に地面に手をついていた その上を踏まれたと…(笑)

初老の夫婦は 転んでるのは見てたけど とっくに立ち上がってると思ってたから ゆっくり通過したら 泣き声がしたので 慌てて停車。

自分の手の上を車のタイヤが乗り越えて行くのを ゆっくり見てしまった ふー君。

そりゃびっくりして 泣くんかな?

結果 手だけ擦り傷を負う(笑)

まぁ1つ間違えれば 腕だったかも知れないし 頭を踏まれてたかも知れない。

これぐらいで済んで良かったと ホッとした。

運転してる人の立ち上がってると思ってたと言うのも ツッコミ所満載だけど(笑)

そして、ご飯も終わってのんびりしてるとインターホンがなった。

ピンポーン♬

出てみると初老の夫婦だった。Daddyの顔を見るなり

「この度は大事な息子さんを!」

と謝ってくれた。ちょっと驚いたけど

「いえいえ、たいした怪我もないですし大丈夫ですよ。うちのもチョロチョロしてますし」

「本当にすいませんでした!」

ちゃんとDaddyが帰って来る頃に もう1度お詫びに来てくれたらしい。

Daddyの後ろで夫婦に手を振るふー君がいた(笑)

「何回か通院と言われてるみたいですし、念の為 通院させますね」

「もちろんもちろん!」

「現場を見ていないので 後から何か出ても困りますし頭とか打ってたりしたら 怖いんで」

「もちろんです!」

ちゃんとしてくれそうな人だったけど 1つ聞いてみる。

「あの、警察届けました?」

「え?」

「うちは全然大丈夫そうだから いいんですけど保険を使うなら警察届けとかないと」

「念の為 通院はさせてもらいたいですし、たぶん保険会社はそう言いますよ」

「わかりました!今から行ってきます!」

そう言って そのまま警察に行ったみたい。

後日 ママちゃんとふー君も警察から 色々聞かれたそうだ。ついでに

「あんなときは、必ず警察に届けるようにお願いしますよ!」

と怒られたそうだ。(笑)

まぁそりゃそうだ(笑)

おじいちゃんやおばあちゃん、お姉ちゃん夫婦 みんなに心配され 嬉しそうなふー君だった。

おかしな感想

その日の夜 Daddyとお風呂に入った。

「今日はびっくりしたなぁ」

「うん、びっくりした〜」

「友達もびっくりしたやろから ちゃんとお礼言うときや」

「わかった〜」

と無事で良かったと思いながらふー君の背中を流してた。

「でもな とーちゃん、1つ わかった事があんねん」

「なになに?」

「手 踏まれた時にわかってん」

「ん?」

なんや…車に踏まれるという レアな体験をして 何を掴んだ息子よ…

どんな時でも 何か拾え!それが我が家のポリシーだ。さすがやな…

「とーちゃん…」

「おう」

「車ってさ」

「おう」

「軽いねんな!」

そんな感想かーーーい!!(笑)

それと…

軽くなーーーーーーーい!!(笑)

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