第34話 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 小学校6年生

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筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第34話

6年生になった

小学校最後の年。

思えば入学の頃はまだ歩いていたなぁ。

家族が増えたり、家を買ったり、車椅子に乗り始めたり。

あっという間に6年生。

イベントが盛りだくさんである。

6年生のイベントの1つにスキー林間がある。

ふー君の場合は雪だるまを作るとか

ソリに乗って少し滑るとか

それぐらいできて、みんなと想い出になればいいなぁって感じだった。

新学期が始まり、支援学級のY先生が

「スキー林間、どうしたら参加できるか考えてたんです。」

「ネットでこういうのを見つけて」

見せてもらうと椅子にスキー板が付いていて、介助者が後ろでコントロールするスキー。

バイスキー

バイスキーやチェアスキーって言うものがある。

関西地方の僕達はスキーやスノボならわかるけど、初めて聞くスキーだった。

Y先生も色々情報収集をしてくれている。

僕達も何か知ってる人がいないかと、色々声をかけてみた。

そして、いつもリハビリで行く療育センターのPT(理学療法士)の先生に聞いてみた。

「先生、6年生の冬にスキー林間があるんです。」

「スキー林間?!いいねぇ!」

「それで学校のY先生がバイスキーって言うのに詳しい人探してて」

「あぁ、バイスキーね、私のボランティアで行ってるクラブが持ってるよ」

「えええええええっ!」

凄く身近に専門家がいた。

すぐにY先生に報告する。

Y先生はリハビリにも何度も来てくれていたので、顔見知り。

スキー林間にPTの先生のクラブが持っているバイスキーを貸してもらえるように交渉。

PTの先生も心良く間に入ってくれた。

クラブの方も快諾してくれた。

ただ、バイスキーを借りればいいって訳ではなかった。

介助者がバイスキーのインストラクターの方に何度か講習を受ける必要がある。

一応、Daddyもスキーは経験あるので、出番なのかと思っていたけど、

「僕がやります」

とY先生が1番に言ってくれた。

スキー林間は2月頭。

室内での簡単な講習とインストラクターと実際の経験が必要。

PTの先生のスケジュールとY先生のスケジュール、そしてDaddy家のスケジュールを合わせるのが大変だった。

室内での講習は 秋には出来た。

後は実際の体験講習だ。

雪が降る地域ではないので、シーズンが始まってすぐ遠くのスキー場に行くか、人工雪のスキー場に行くか。

ここでも、時間が無い中 スケジュールの調整が大変だった。

冬に向けて色々準備を進めていたけど、まだイベントは盛りだくさん。

中学校へ再訪問

夏休みまでは、結構平和だったけど 中学校の準備もある。

前に言われた通りに夏休み前に中学校へ行く。

今度はふー君も連れていく。

前回 訪問した時に対応してくれた優しい感じの校長先生がいない。

転勤されたそうだ。

マジかーーっ!っと思いながら、再度説明をする。

でもちゃんと引き継ぎはして下さっていたみたいで、簡単な説明だけで話が通った。

実際にふー君を連れて校内を見学する。

車椅子の先輩が通っていただけあって、車椅子で困りそうな所は あまり無い。

それでも先生方は、ふー君に

「そこ、入れるか行ってみて」

「そこはどうかな?」

と声をかけて、

「おお、運転上手いな」

と言いながら、メモを取ってくれていた。

「ここは段差ない方がいいね。あ、ここも」

ふー君のテクニックでカバーできる所も改修するリストに入れて下さった。

前にも書いたかもしれないけど

いつも思う事がある。

車椅子の先輩が作ってくれた道。

そして、後輩のふー君が作った道。

もっと前には苦労した先輩がいただろう。

先輩が作った道に感謝を忘れず、そして またふー君が 新しい道を作る。

その道をまた後輩の誰かが 広げていく。

そうして みんなが過ごしやすい学校や社会になっていくんだ。

この確認ひとつひとつに大きな意味がある。

感謝を忘れず、生きていこう。

中学校生活もたくさん笑顔になると嬉しいなぁ。

プール学習も終わり、最後の運動会の季節がやって来る。

運動会の後は、修学旅行に スキー林間

そして、卒業式だ。

続く…

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