第24話 妹誕生 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ

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筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第24話

冬は苦手

毎年の一大イベント運動会が終わった。

だんだん 気温も下がってきて ふー君には過ごしにくい季節がやってくる。

寒いと身体が固くなり動きにくくなる。

転ぶ回数も増え2階の教室へ行く階段も10段になったり5段になったり手伝ってもらう事も増えてきた。

服を重ね着させると 動きにくくなるし 加減が難しい。

少し前の記事で書いたママちゃんのお腹もどんどん大きくなってきた。

転んだふー君を手伝ったり、すけまるの世話をしたり。

そんなこんなで冬休みに入る。長期の休みは やはり運動量が落ちるので ふー君にとっては あまりよろしくない。

本人は休みで喜んでたけどね。

我が家に女の子が来た^^

年が明けて 新学期が始まろうとした頃。

陣痛が来た。ほぼ予定通り。

おばあちゃんに連絡して子供達を見てもらう。

今回もふー君の出産の時からお世話になっている総合病院へ行く。

3回目でもやはり 辛そうなママちゃん。

手を握ったりさすったり。

何度も書くけど やはりDaddyは怖くて堪らなかった。

今回も生まれるまで 性別は聞いてない。

少しずつお産が進み、夜中に無事 新しい家族が増えた。

「おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」

初めての女の子。凄く嬉しかった。もう大きくなった時の事を想像して、モヤモヤしてた。笑

男親にとって 女の子は やはり可愛いのだ 笑

女の子は飛び上がる程 嬉しかったけど別の問題がある。

ママちゃんと決めてたこと

筋ジストロフィーにはたくさんの型がある。

他の型は詳しく無いのでわからないがデュシェンヌ型筋ジストロフィーの話。

間違えてたらごめんなさい。

大学病院の先生に説明してもらった事。

男の子はY染色体1本 X染色体1本、合わせて2本で形成される。

女の子はX染色体が2本で形成される。

女の子が持つ2本のX染色体の片方が筋ジス原因遺伝子染色体であれば キャリア(保因者)となる。

そして男の子はX染色体は1本なので 正常なX染色体をもらえば 健常。

筋ジス原因遺伝子を持つX染色体をもらえば 筋ジストロフィーとなる。

女の子も正常なX染色体 2本をもらえば健常であるが、正常なX染色体と筋ジス原因遺伝子を持つX染色体と1本ずつなら発症はしないがキャリア(保因者)となる。

そしてキャリア(保因者)じゃなくても 突然変異が起こり筋ジスの子を授かる事もある。

大学病院の先生に説明してもらったのはX染色体連鎖の話だった。

優性、劣性遺伝子の話は詳しくないので…

更に遺伝子配列の話でデュシェンヌ型であったりベッカー型であったりと色々ある。

詳しく知りたい方は 難病情報センター指定難病 113 を参照してください。

まぁ 何が言いたいのかと言えば女の子だった場合 将来大きくなり、子どもを授かった時に筋ジストロフィーの子どもを持つ可能性がある。

調べて知る事もできたんだろうけど、しなかった。

それはそれぞれの家庭の考え方だと思う。

男の子で生まれた すけまるの時も覚悟していた。

そして女の子の今回も覚悟はしている。

もしキャリアであったとしても、将来子どもを授かるのかどうかも、わからない。

子どもを授かる事も当たり前ではないし、とても奇跡的な事だと思う。

ママちゃんと話して決めたのは、もし女の子を授かれたら、いつかは話さなきゃならないねということ。

そして、その子には どう生きるか 自分で考えて行動が出来るように育てようと話した。

いつか大きくなったら話さなければならないかも知れない。

その時はしっかり向き合おうと決めている。

そんな訳で 産まれた赤ちゃんは2632gの可愛い女の子だった。

ようこそ我が家へ

命名 ラブ子ちゃん

ママちゃんが落ち着くまで付き添い、家に帰って報告する。

ふー君はとても喜び、それを見た すけまるも 訳もわからずバンザイしてたな 笑

冬の体育

そしてふー君、真冬恒例のマラソン授業が始まる。

この辺の地域では、冬になるとひたすら走らされるんだけど、どこも一緒かな?

真冬に半袖、半ズボンで校庭を何周も走る。

ふー君は 特別ルールでサッカーゴールの周りを 頑張れるだけ走る事になった。

やはり冬になると動きが悪く何度も何度も転ぶようになった。

登校した後や、体育の後は支援学級でストーブで暖めもらったり、さすがに冷えすぎるので、体操服は長袖長ズボンを認めてもらったり。

そしてマラソン大会の記録会。

クラスの友達は校庭を10周走る子もいた。

記録会が終わったあと 友達にふー君が

「〇ちゃん 何周走ったん?」

「9周やったわ、ふー君は?」

「5周しか走られへんかった、何回かコケたけど 最後まで走れたわ」

「すごいやん!めっちゃ頑張ったやん!」

「でも目標は8周やってん…」

「そんなんふー君にとって100周と同じぐらいすごいで!」

「すごいすごい!精一杯やってんやから自信持っていいよ!」

と友達に褒められ嬉しそうに報告してくれた。

その後もやはり よく転ぶようになり寒くてストーブに当たろうとして 転んで 手を火傷したりしてた。

家でも 四つん這いで 移動する事が多くなっていった。

自分で立つのも少なくなった。やはり冬は要注意。

進行が早いのか遅いのかは わからない。

使いすぎたのかな

厳しく育ててしまったのかな

運動会やプール、そしてマラソン大会

参加させるべきじゃなかったかな

そんな風に自分を責める事が多くなった。

ふー君の寝顔を見ながら、そんな事を考えるようになった2年生の冬の話。

続く…

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今回 少し保因の問題に触れました。嫌な気持ちになった方もいらっしゃるかも知れません。
なにか特別な意図があったわけではなく、娘と私たち夫婦が向き合う上で必要な事であると思い書きました。ご理解の程よろしくお願いいたします。

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