第27話 出逢い 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ

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筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第27話

車椅子で登校

3年生になり新しい新居から登校するようになった。

校区のギリギリ端っこに家を建てたので通学時間は 長くなった。

いつまでも学校の車椅子を借りること、そして放課後 車椅子を押して迎えに来るのは 大変でしょうとの事で マイ車椅子デビュー。

友達にも かっこいいやん!と 言われご機嫌なふー君だった。

支援学級の若い男の先生は新学期になると 転勤を命じられ学校にはいなかった。

若く、エネルギッシュな先生の続投を望んでいたけど 叶わなかった。

毎年新年度になるとドキドキする。

嬉しい時もあれば、残念だし これからどうなるんだ と不安になる年もある。

3年生になっても ふー君は支援学級に席を置き、授業は普通学級で受けていた。

そうする事で、教員の増員を要請できるから。

ベテラン先生

支援学級の担任の先生は結構年配の女のベテラン先生だった。

トイレの介助や車椅子の移乗など 力仕事は若い男の先生(S先生)がやってくれる。

年配のベテランの先生。

ふー君は 苦手だったようだ。

朝、車椅子を自転車で並走しながら校門まで送り届ける。

校門前にいるベテラン先生。

「ふー君!おはよう!ほら、端っこ寄りなさい!危ない!」

黙って従うふー君。

ベテラン先生にふー君をお願いして別れた後も学校の中から

「ほら!チョロチョロしたら危ない!」

「そっち行かない!危ないでしょ!」

ふー君が怒られてる声が外まで聞こえてた。

めっちゃ怒られてるやん…

と思いながら出勤する。

毎日デジャヴなのかと思うぐらいに 朝から怒られる。

朝、ふー君を送り届ける時に たまに学校の様子を聞く。

「昨日は〇〇して危なかった」

「あそこであんな事があって危なかった」

「はぁ、なんかすいません」

と適当に返事しながら聞いてた。

色んな先生がいるのは理解してるけど、この先生が担任だと 大変だなぁ…と思いながら聞いてた。

心配して言ってくれているのは理解してたけど正直イライラしてた。

どこかで学校と話をしなきゃいけなくなるかなぁと思ってた。

それは学校の中でも続いてたみたい。

学校の判断で電動で動く練習もしてたらしい。

休み時間に友達のそばに行こうとすると

「危ない!」

廊下を車椅子を進むだけで

「危ない危ない!ほら みんな離れて!」

とにかく怒られる。

個室に面談

トイレをさせてもらってる時に介助担当してくださっていたS先生との会話

「めっちゃ怒られる。もっと友達と遊びたい」

「そうやなぁ、危なくないように家でも学校でも練習してるもんなぁ」

せっかく電動車椅子を使えるようになったのに 全然楽しくなかったみたい。

まぁこれは トイレの個室での会話 笑

きばりながら 話してたらしい 笑

ふー君の悩みや先生の悩みはここで話し合われるそうだ。笑

ちなみにふー君のは、まぁまぁ臭い 笑

愛されとるな ふー君 笑

普段の生活は この男性のS先生がふー君をずっと見てくれてた。

S先生の考え

ベテラン先生は 教室に来るわけでもなく見かけたら、とにかく怒る。

S先生の中で 色々な思いが膨らんでいったそうだ。

ベテラン先生が見てないうちに 車椅子で運動場に出してもらい、友達と走り回る。

本当はダメなんだけど、車椅子の後ろに友達を乗せたり ウイリーして遊んだり。

ふー君ルールで、鬼ごっこをしたり。

この先生との出逢いがふー君の学生生活に大きく影響を与えてくれた。

友達も車椅子に慣れてくれて、色々な遊びもできるようになった。

そして、夏休みに入り 希望者が授業を受けれる学習があった。

夏休み学習だ。

夏休みなので、工作したりプールに入ったり。

ふー君もいくつかの授業に希望を出していた。

朝からの授業ではなく、10時から1時間だけ とか 変則的な時間に登校する。

毎朝送り届けてたDaddyは当然 付き添えなくて ママちゃんは、ラブ子をおんぶして すけまるを自転車に乗せて学校まで 送っていた。

ある日の事

Daddyが出勤したあと、家事をしていたママちゃん。

ふー君は夏休み学習で学校に行く準備。

すけまるは ママちゃんのそばをウロチョロ。

ラブ子はママちゃんのベッドでスヤスヤ。

ふー君の手伝いをしながら 家事をしていた。

すると隣の部屋から

ドンッ!

と音がした。家事をしているママちゃん。

すけまるが様子を見に行ってくれて

「か~ちゃん ラブ子ちゃん 落っこちてるで〜」

ラブ子6ヶ月ぐらいの頃。

ハッとして部屋に駆けつけた。ラブ子がベッドから落ちていた。

高さは大人の膝より上ぐらいの高さ。

慌てて抱き上げるとすぐに嘔吐した。

ビックリしてすぐに救急に電話をしたママちゃん。

「子どもがベッドから落ちて嘔吐してます。救急車に来てもらいたいんです。」

初めて救急車を呼んだ。泣き声を上げたから大丈夫かと思ったけど、嘔吐した事で救急車を呼んだママちゃん。

思うように動けないふー君とすけまる、火のついたように泣くラブ子。

大変だったろうな。

すぐに救急隊員が来てくれて ラブ子の様子を見る。

救急隊員の方がラブ子の様子を見てくれて

「大丈夫そうですねぇ~」

と言ってる時にまた嘔吐する。

「あら…ん~…一応念の為、運びますね」

と言われみんなで準備をする。

「あの…車椅子乗せれますか…」

ほぼ歩けないふー君。車椅子がなければ どうにもならない。

「いや、さすがにちょっと…」

申し訳なさそうに言われてしまった。

ラブ子は抱いてるし、すけまるもまだ置いて行けない。

1人で残ったふー君

ふー君が1人残ることになった。

ママちゃんから電話をもらい 慌てて家に戻るとふー君がコロコロのついた事務椅子に乗ってゲームしてた。

「なにしとんねん…」

思わず出た言葉。これしか出なかった 笑

少しふー君を怒ってしまった。笑

家の中はまだ このコロコロ付きの事務椅子で移動したりしてた。

ふー君を車に乗せ、車椅子を積み込み 病院へ向かう。

車の中で 今日起こった事、学校に行けなかった事を話してくれた。

病院に着くと、一通り検査をしてもらったラブ子を抱いたママちゃん、そしてすけまるがいた。

「どうなった?」

「レントゲンとかCTは撮ってない。」

「小児科の先生と脳外科の先生が見てくれて、様子見ようって」

「えええ、そうなんか、レントゲンとか無し?」

「うん、でもいつもと違うって思ったらすぐ連れてきてって」

「そっかぁ」

そう言いながら みんなを車に乗せて家まで連れて帰り、仕事に戻った。

ママちゃんは小学校には連絡してたけど、ふー君の登校を学校で待ってくれていたS先生は凄く心配してくれていた。

そして、この1件でS先生がその時思ったことを後日 話してくれた。

誰もが通えるはずの学校に親が付き添いができないという理由で通えないのはおかしい。

S先生が迎えに行こうかと思ったけどその時は 我慢した事。

ふー君の学校生活の過ごし方、車椅子の使い方や指導方法でベテラン先生とS先生が かなり衝突してたらしい。

後から聞いた話だけど、このS先生が盾になってくれてたから 怒られながらも 学校生活を楽しめる事ができた。

ふー君にとって 挑戦することの素晴らしさを教えてくださった先生と出逢えた3年生の最初の話。

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