筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 2021春第7話
縦隔気腫で入院してVT心室頻拍を起こしたけど、無事に退院できた。
寝不足等の色んな条件が重なってVTを起こしたと考えたい。
とにかく2度目が無くてよかった。
退院して、4日。ふー君はバームクーヘンを食べた。
モグモグと食べていた時。
「ケホケホッ」
肺機能はやはり弱いので咳も弱い。
むせるような咳を繰り返し出そうとするけど 出ない。
気胸や縦隔気腫が怖くてカフアシストもできない。
このまま放置するわけにも行かない。
ちょうど訪看さんが、もうすぐ来てくれる。
ママちゃんがさすったり色々して頑張ってた。
そうこうしてるうちに訪看さんが来てくれた。
「おはようございます、あら…どうしたぁ?」
少し驚きながらも 冷静に状況を確認して処置をしてくれる。
酸素を測ったり胸の音を聞いたり少し熱もある。
色々してくれたけど酸素が90を下回ったままだった。
「お母さん、これは救急車で行かなあかんわ」
「ええええええええ、また入院になりますか?」
「たぶん なると思うわ」
「えええええええええええ」
「ケホケホ…おかんごめんなぁ…」
謝るふー君。また、入院かぁ…と正直思ったママちゃん。
辛そうなふー君仕方ない。
救急に連絡をして救急車が到着する。
今年に入って何度救急車のお世話になったのか。
ストレッチャーに乗せられて救急車へ。
訪看さんに挨拶をしてママちゃんが同乗する。
その頃Daddyは仕事をしていた。
ママちゃんからの連絡が携帯に入っていた。
何となく携帯を見て驚いた。
医療センターの救急の入り口から入り、小児科の外来に通される。
熱を測ると やはり熱があった。
レントゲンでも肺炎の所見がある。
酸素の数値も悪く やはり入院になった。
そのまま いつもの小児科病棟へ。
1週間も経たずに医療センターに戻ってきた。
ベテラン看護師さんが
「お母さん、大丈夫ー?」
「すいません…」
とママちゃん。
またお世話になってしまう事。
VTを起こし診る事が難しいと言われた医療センターに また戻って来た事。
次、もし何かあった場合の受け入れ先の病院を調整している時だった。
色々な想いのすいませんだった。
ベテラン看護師さんは
「大丈夫よ!」
と力強く励ましてくれた。担当医の先生が
「ふー君の部屋まだ空いてるよ」
「帰ってきそうな気してたわ」
と微笑みながら言ってくれた。
「すいません、また戻ってきちゃいました」
先週までお世話になっていた個室に運ばれる。
みんな優しく迎えてくれた。
看護師さんが
「ふー君熱がありますし肺炎の疑いもあります。この症状だとPCRの検査をしなきゃいけません。」
「お母さんどうしますか?今なら帰れますよ」
「付き添うならPCRの結果がでる明日まで、部屋からは出れません」
少し考えたけど、お任せして帰るなんて出来ない。
「付き添います。よろしくお願いします」
そんな事になっているのは、全く知らず仕事を半休で切り上げ、入院の荷物と車椅子を病院に持っていくDaddy。
病院の駐車場に着いた時にママちゃんから連絡をもらう。
「コロナ容疑がかかって面会できない」
「えええ、荷物持ってきたよ」
「看護師さんが入り口まで取りに行ってくれるって」
入り口で待っていると、看護師さんが走ってきた。
「すいません、またお世話になります」
「いえいえ、大丈夫やと思うんだけど発熱があるから決まりでね」
「あ、いえ よろしくお願いします」
と大量の荷物と車椅子を託した。
女の人1人で持てる?って量だったけど 持ってってくれた。
たくましい…
それからママちゃんの長い夜が始まる。
時期は非常事態宣言真っ只中。
感染者数も爆発的に増えていた時だった。
ふー君は心配していた気胸ではなく 誤嚥性肺炎だった。
高い濃度の酸素投与を続ける。
ちなみにPCRの検査を受けるのは ふー君だけ。
ママちゃんは テレビでよく見る防護服を着るように指示され、フェイスガードを着用してふー君の世話をする。
Daddyが配達した荷物は ビニール袋に入れられ、病室の入り口まで。
急変しない限り看護は期待できなかった。
当たり前なんだけど、病室は少し暑い。
防護服を着ながら ふー君の看病をする。
ママちゃんのご飯も もちろんないし 買いにも行けない。
暑さで喉がカラカラになる。
ふー君のご飯は運ばれてくるけど、自分の分はなかった。
ナースステーションの目の前にある自動販売機。
看護師さんにお金を渡し買ってもらうのもNGだった。
コロナ恐るべし…
夜、心配したすけまるとラブ子と ママちゃんにテレビ電話。
防護服を着て疲れたママちゃんと 少し落ち着いたふー君が映ってた。
Daddyが持って行った荷物の中に500ミリのお茶を入れていた。
そのお茶1本でなんとか 耐えたママちゃんだった。
間、間で完全防備の看護師さんが ケアをしに来てくれる。
「次は〇時頃に来ますからね。」
と優しく 声をかけてくださる。
その時間が唯一楽しみだったママちゃん笑
ふー君も 話が出来るほど 回復していたが部屋から出れないので、とにかく孤独だったらしい笑
PCR検査の結果は次の日のお昼過ぎだった。
それまでフェイスガードとマスクをつけっぱなしだったママちゃんは 、Daddyと会ったとき ぼーーーッとしてた。
長時間のフェイスガードとマスクがよっぽど堪えたようだ。
ふー君は 二酸化炭素がたまってる時ってこんなんなのかなぁ…。
マスクとフェイスガードしながら仕事する、お医者さんや看護師さんも 大変やなぁ…
ぼーーーッとした顔でそんなこと言ってたな。
辛い時も何かを 拾うクセがついてるママちゃん 笑
今回はママちゃんが主役の(笑)誤嚥性肺炎での入院。
肺炎の程度も軽く幸い10日程で退院できた。
本来、診る事が難しいと言われてる中での対応、受け入れ 感謝するしかなかった。
退院して、しばらくすると大学病院の診察予約がある。
次の受け入れ先を相談して決める手筈になっていた。
医療センターへの入院はこれで最後にしたいなぁ。
話は変わって これを書いている今日は2021年7月7日 七夕。
ふー君が生まれて もうすぐ20年、あっという間だった。
IPS細胞や再生医療、治療に繋がる発見がたくさんあった。
あともう少し、あともう少しと毎日過ごしてる。
この1年色々な人と知り合えた。SNSや実際に会った人。
病気と闘う人、怪我と闘う人、リハビリを必死に頑張る人、それを支える人、みんな凄い人ばかり。
自分も もっと頑張らないとと思う。
七夕の願いは
みんなの病気や怪我が1日も早く良くなりますように…
そして今年も同じ願いを願う。
治療法が1日も早くできますように…
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