2021春⑪ 胸膜癒着術 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ

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筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 2021第11話

再入院

まさかまさかの気胸再発で 入院する事になってしまった。

まだ通院も2回目の不慣れな場所。

専門病院と言う事だけが安心材料だった。

既に この日は夕方になっている。

入院する部屋が準備されて 慌ただしく移動する。

コロナ禍の入院という事で付き添いはできない。

ふー君が先に案内され、Daddyとママちゃんは少し遅れて病室に入った。

2人の看護師さんが 初対面のふー君の扱い方にとまどいながら ベッドに移乗させようとしてくれていた。

病室に入ってきたDaddyとママちゃんを見て、看護師さんが

「あ!お父さんですか!」

と聞かれたので、元気よく

「はい!お父さんです!」

と答えると病室のみんなが爆笑したのでDaddyの仕事はもう終わりだ(笑)

もう満足した(笑)

ゆっくりとふー君と話す暇もなく 抱き抱えてベッドに移乗させた。

モニター関連のセンサーをペタペタ。

それを黙って見てた。

ふー君は テンション低かった。

まぁそりゃぁそうだよね(笑)

入院説明のパンフレットを渡され 目を通して下さいとの事。

同意書や、なにやらサインする紙も挟まってた。

病室の入口で目を通しているDaddyとママちゃん、その間に看護師さん達が慌ただしく 準備をしていた。

主治医の先生から 引き継ぎを受けた若手の先生が挨拶に来た。

「こんにちは、はじめまして病棟での担当になります。〇〇です。よろしくお願いします。」

「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」

コロナ禍で付き添いができないことや、治療の事を 要点をまとめて説明してくれた。

「早速ですが、右の肺の空気が漏れて肺がしぼんでいます。」

「バタバタで申し訳ないですが、胸腔ドレナージを行ないたいと思います。」

早速やん…マジか…と思っていたら

「マジかぁあぁあっ!」

とふー君が叫んでいた(笑) 叫べるぐらいなら 大丈夫だろうと

「はい、サインします。」

と答えて先に同意してみた(笑)

先生がちゃんとドレナージを行う際の注意点、リスク等を急いでだけど説明してくれた。

「以上で問題無ければ同意書にサインをお願いします。」

ちゃんと話を聞いて納得して 同意のサインをした。

「では、担当の医師を呼びますね」

と慌ただしく先生が小走りで走っていった。

ドレナージをして下さる先生が到着し、簡単に説明を受ける。

「では、始めますので、外でお待ちください。」

と前回 医療センターの時と同じく外で待機になった。

医療センターの時もそうだったけど、ドレナージする時には何故かスタッフの数が多い。

ふー君の周りにスタッフが集まってドレナージが行われた。

外で待ってる間に 入院の誓約書等にサインを済ませ、取り急ぎ 必要な物をピックアップしていた。

師長さんも来てくれて よろしくお願いしますと、挨拶をした。

そうこうしている間にドレナージが終わり、部屋に戻った。

おつかれ息子よ

ふー君は少しグッタリしてたけど、やはりドレナージすると楽になるのか、顔色は良かったし、数値も安定していた。

その日は、1度自宅に荷物を取りに帰り、再度病院へ。

コロナのPCR検査の結果が出るまでは 個室で過ごすふー君。

付き添う事ができないので、名残り惜しいけど、帰ると伝える。

「しばらく会われへんけど、頑張れよ」

「わかった、頑張るわ」

ママちゃんは、やはり心配なのか 中々帰ろうとしなかったけど 決まりなので 渋々病室を後にした。

それから約1週間が経った。面会はできないけど、スマホがあるので連絡は取れる。

毎日の様子、食事の事など 報告するように伝えていた。

気胸の穴も自然治癒でほぼ塞がった頃。

ドレナージの管を抜管する前に

胸膜癒着術をすると言う話が出てきた。

先生から説明の電話があった。

肺を強化しよう

胸膜癒着術というのは、ドレナージの管から 薬剤を投与し、人工的に胸腔内に炎症を起こさせる。

そして、肺の膜と胸壁の膜を癒着させ気胸を止めて、再発を防ぐという物。

気胸を繰り返すふー君には 効果があるだろうとの事。

メリットは気胸の再発を防止できる。

今後 呼吸器の圧を上げて行くことになるので、どの道 今の肺では 気胸を再発する事になる。

デメリットは、術後の発熱、かなりの痛みがある。

やるなら、熱と痛み。

やらなければ、今後も呼吸で苦しむ事になる。

いくつか質問をした。

①右に癒着術を行う。今度は左の肺が破れるのでないか。

ふー君の場合 破れているのは右が多い。側弯症が進み、左の肺が押し潰されている。

おそらく右の肺をよく使い左の肺はサポートという事になってるんではないかと思われる。

今のところ、右だけで大丈夫。わざわざ苦しい事をする必要はないでしょうとの事。

②肺の膨らみ、収縮が重要という事でリハビリをしているが、癒着術で肺が癒着し、収縮の妨げになるんではないか。

健常の人よりも、肺の機能は落ちているのに、さらに落ちてしまうのではないか。

前回の記事のアンビューバッグのリハビリもそれが狙い。

自発呼吸に少し手助けする事で 肺の膨らみを少し大きくする。

そうすることで、肺の大きさや柔軟性を確保する。

癒着術をしても、膨らむのを妨げるわけではない。アンビューバッグのリハビリも効果が期待できる。

長い目で見ると確かに肺が固くなる事が考えられるが、癒着術が原因で固くなると言うよりは 筋ジスの病気の進行で固くなる方が先だろう。

と 少し切なくて悲しい返答だったけど 凹んでも仕方ない。

気胸を繰り返している この状況を打破しなければと思った。

呼吸器の圧を上げて行くのは 避けられないだろうし、その為には 圧に耐えれる肺にしておく必要がある。

やるしかない。

ふー君とママちゃんも 同意見だった。

電話で よろしくお願いします。と伝えた。

初めての癒着術

次の日の午前中に癒着術が行われた。

管から薬剤を入れて 肺にまんべんなく薬剤が拡がるように 30分置きに体位変換をする。

ふー君いわく 背中をバットで何度も殴打されてるような痛み。

背中の内側をえぐられるような痛みらしい。

午前中に投薬され、1時間程 闘った後、寝てしまったらしい。(笑)

寝れとるがな(笑) と、素直に思ってしまった。

お昼に起きても 痛みは続いていた。

夕方に我慢できなくなり 痛み止めをいれてもらう。

結局痛みは3、4日。38度まで行かない発熱も続いた。

気分転換にスマホを操作するにも 痛さで 堪らなかったらしい。

入院中は大丈夫大丈夫と 返信してくれていたけど、頑張っていたんだなと思う。

帰ってきてから、癒着術の詳細を聞いた(笑)

胸膜癒着術で右肺は 強くなった。

気胸の問題がクリアになれば 嚥下の問題に集中できる。

今回もよく頑張ったと想う。

続く…

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