第9話 近隣トラブル 筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ

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筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第9話

新しい土地で

2歳も過ぎて遺伝子診断で確定をもらう。

ある意味 さっぱりしたような気分。

もう確定したのもあるし 教授先生に言って貰った普通でいいと言う言葉。

そして自分の中で信じてる必ず治るという根拠のない自信(笑)

たとえ 病気であっても 大人になれば社会に出ていく。

そうなった時に 恥ずかしくないように育てようと思った。

少し前に話は戻るけど当時住んでたハイツは 2階建てでDaddy家族は2階の住人。

よちよち歩きの ふー君は 病気が関係あるのか ないのか よく転ぶ(笑)

結婚してから1年半ぐらいたった頃に下の階の住人さんが新しく引っ越してきた。

挨拶してもスルーされる笑

まぁ特に気にもしてなかった。

しばらくすると大家さんから 電話があった。

「下の階の人からクレームが入ってて、少しうるさいみたいです。気をつけてくださいね」

と言われた。

そんな非常識な音も出してないし普通の時間に生活して普通の生活音を出してる程度だった。

隣りに住んでる家族にばったり会ったので世間話の中で聞いてみた。

「あの〜うちって うるさいです?」

ストレートに聞いた。

いきなり変なこと聞いて驚いてたけど 面と向かってうるさいよ?なんてなかなか言えないだろうな笑

「全然うるさくないよ?むしろうちの方がうるさくない?」

特に隣りも生活音は聞こえるけど 非常識な程でもないし お互い様だしなぁて 思ってた。

「いや、全然うるさくないです笑」

そう答えて んー…って感じだった。

まぁでも隣人トラブルも嫌だったし引っ越す余裕もなかったし 気をつけて生活するしかないなぁって感じだった。

隣の人には 一応事情だけは説明した。

うちより下の住人がおかしいって言ってくれてたけど そこは想像以上にうるさいのかも知れないし ノーコメントで通した。

階下からの異音

ママちゃんと相談して 一応よく転んでるのが響いてるのかなって事で 果物を持ってお詫びにママちゃんが行ってくれた。

呼び鈴を鳴らしたら旦那さんが出てきてくれて お詫びをした。

奥さんにも挨拶したいと言ったら

やめといたほうがいい…奥さんの方が怒ってるので…

と言われた。

それからしばらくは静かだった。

神経質な人なのか よちよち歩きのふーの尻もちの音や掃除機の音

普通の生活音だけでも 下から 何かでドンドンと突く音がするようになった。

転ぶのは仕方ないし掃除機もかける。普通の生活をする。

それでも厚めのマットを敷いたり 掃除機もできるだけ静かに。

Daddyは 普通に生活してて何が悪いと思ってたし 内心 腹が立ってたけどちゃんと気をつけてた。

その頃のママちゃんは かなりナーバスになっていて

それを聞いてたお姉さん夫婦が平日に連れ出してくれたり気を使ってくれた。

お姉さんの旦那さんは平日 たまに休みの仕事なので、お姉さん夫婦には お世話になりっぱなし。

本当に感謝してもしきれない。

どんなボロアパートに住んでたんだ!

と思われるかも知れないけど、2DKで65000円だっけな?軽量鉄骨の築10年程度の新婚向けの普通のハイツ。

ママちゃんは家計の事もあるし 我慢してくれてたようだ。

でもかなり限界っぽい。

あまり家にいるのが難しくなってきている。

相談は聞いてたけど 仕事で普段家にいないDaddyとは ストレスのかかりかたが違うかったんだろう。

当たり前の話だよね

ママちゃんと ふー君の2人のときに下からドンドンと 何かで突き上げてくる。

Daddyがいる時は その行為はしてこない。

たびたび異変が起きるようになる。

玄関のドアが 汚れてたり 家の前に束になった髪の毛が落ちてたり・・・

下の住人との関係はかなり悪くなっていた。

そんなある日 仕事から帰って3人で買い物へ

ママちゃんの気分転換も兼ねて ドライブも少しして 帰ってきた。

すると鍵が開かない・・・あれ?なんで?

ママちゃんの合鍵をさしても 開かない・・・というか 全部入らない…

30分ぐらい格闘してたかな 壊すと大変だしどうしようもないので大家さんに連絡した。

しばらくすると大家さんがマスターキーを持ってきてくれた。

ガチャガチャ・・・ガチャ・・あれー?入んないな ガチャ…

ふー君はママちゃんに抱かれ いい子にしてた。

不安そうなママちゃん。

大家さんのマスターキーでもどうしようもないので鍵屋さんを呼んだ。

ママちゃんとふー君は隣の人が声をかけてくれて隣の人の家の中に入れてくれた。

当時、寒い日だったので助かった。

鍵屋さんが到着して 工具箱を取り出してゴソゴソしてる。

Daddyと大家さんと見つめてた。

鍵屋さんが言いにくそうに

「これ…鍵穴に接着剤かなにか入れられてますね…」

寒気がした。

誰かの嫌がらせか・・誰・・・だ。

階下の住人と対面

思い浮かぶのは1つしかなかった。

でも証拠もないし どうしようもないので耐えた。

またしばらくしてお姉さんが遊びに来てくれてた。

女の人だけだと強気なのか 下から突かれる。

初めて体験したお姉さんは これはただ事では無いと思い 仕事から帰ってきたDaddyに話してきた。

「ちょっとこれはダメ、異常だよ なんかあったらいけないから 引っ越した方がいい!あぶないよ!」

それを聞いてずっとイライラ。。

数日モヤモヤしてた。

気がついたら 下の階の家の前にいた。

呼び鈴を押す。

奥さんらしき人が出てきた。

「旦那さんいますか?」

「居ませんけど、なんですか?」

睨みつけるような表情にさらにイライラが膨らむ。

「あの うち うるさいって言ってますけど、お昼に掃除機もかけますよね?」

「洗濯機も使いますし これでうるさいって言われると生活できません!」

ふー君の事は 言わなかった。すると向こうは

「こっちは夜の生活してんのよ。寝てんの!わかる?!」

と言われ Daddyは 切れてしまい言い合いになった。

「こっちは普通に生活してるだけ!気にいらないなら 引っ越せ!」

と言い合い大きな声で怒鳴りあう。

女の人に怒る自分も嫌だったから 旦那さんが帰ったら 旦那同士で話したい事を伝えて欲しいと言った。

全然聞いてなかったけど。

また来る事を伝え戻った。

夜の仕事の人もいるのは 当然理解してるつもりだったけど これでは生活できない。

引けなかった。

その日は結局 旦那さんが帰ってくる様子がなかったので話し合いできず Daddyも仕事があるので そのまま何日かたった。

下の階からドタドタ音がしてたらしい。

その日の夜から 静かになった。

下の人は引越していった。

少し悪い気もしたけど、本当に神経を使って生活していたし、どうしようもない。

それから3ヶ月ぐらいたって 夕方ニュースを見ていると 近隣トラブルで逮捕されてた人が下の階に住んでた人だった。

背筋が凍る思いがした。

自分たちが常識なのか非常識なのかは わからないけど 慎ましく謙虚に生きようと改めて
思った。

次の引越しの時は ぜっったいに1階にしようと思った。

今回特に病気の話ではありませんでしたが ママちゃんとふー君と三人で過ごしてきた大事な話でしたので 書きました。

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