筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第8話
遺伝子診断(ウィキペディアより)
お姉さんからの提案で大学病院に診察を受けに来た。
たくさんの人がいて 患者さん同士や保護者の方の表情も見れた事に 少し安心。
黙って待ってる人もいたけど、ママさん同士話しをしたり、
子供達は本を読んだり もっとみんな どよーーんとしてんのかな?って思ってたからだ。
いつ呼ばれるかも分かってなかったから ひたすら待った。
お昼もとっくに過ぎたぐらいに呼んでもらえた。
前の話で書いたように優しく話をしてくれる教授先生でした。
生まれた時からの話、今までの検査結果を改めて見てもらう。
まだ心の中では 違うってなんないかな?なんて 往生際の悪い事を考える。
一通り話と結果を見て
「んー、おそらくそうだと思うけど、確定は出来ないなぁ 」
「遺伝子診断してみる?筋生検もあるけど痛いからなぁ」
と言われ なんだそれは?ってなったけど 丁寧に説明してくれる先生。
遺伝性の病気である事も踏まえ 息子はもちろんだけど 僕とママちゃんも調べる?
って聞いてくれた。
別に調べなくてもいいかな?って思ってたけど、
3人一緒に検査しても 8万?だったかな 1人でも8万?
だそうで なんか お得感に誘われて やる事にする。(笑)
でも改めて検査するってなると少し不安だったり。
でもお得なのだ(笑)
あとはその時点での研究の進み具合とか今後の話なんかを説明してくれた。
いつも帰る時には希望を持たせてくれる。
行く度にあと少しかも あと少しかもって気持ちにさせてくれる。
約3ヶ月後に検査結果を聞きに行く予約を取った。
しばらくこのペースで通院する。
楽しみ作らないとね って事で帰りは 毎回美味しいもの 食べて帰る事に決めた。
今度はちゃんと予約があるけど、やはり待つ時間は長い。
前回 僕らもそうだったけど 教授先生は ちゃんと全部答えてくれる先生。
馬鹿みたいな質問も全部だ。
だから 他の御家族も納得行くまで 話してるんだなぁと思うと
待つのは お互い様だよなと思う。
しばらくして 診察室に呼ばれた。
前回検査した血液検査等の説明を受けて 最近の様子等を報告。
先生から遺伝子診断の結果を聞く。
結果は
確定
遺伝子の欠失ではなく重複だそうな。
欠けている等の話はネットで知っていたけど 重複だとは思わなかった。
まぁ2人とも 覚悟はもうしてたので 特に驚きはしなかった。
そしてDaddyとママちゃんの結果は 当時の検査では ボヤけて よく分からなかったけど、お父さんは 違うでしょうとの事。
ママちゃんの方は 判断するには 不鮮明で 違うと言えば違うし、そうと言えばそう。
ん〜どっちやねんって思った。
さらに詳しく調べれば ハッキリ分かるけど どうする?と言われた。
その時は ハッキリさせて どうなるのか
何の意味があるのか 分からなかったから もう大丈夫です。と答えた。
保因しているか どうか知っても 治る訳でもないし 知らなくていい事もあると思った。
確定の診断を受けて
これからどうすればいいか
何をしていいのか
何をしちゃだめなのか
用意していた質問を聞く。
矢継ぎ早に質問を投げかけていると 教授先生が 少し笑って
「お父さんお母さん…色々心配やろうけど 普通でいい。」
「他の子と何も変わりません。だから普通でいいんです。」
「唯一気をつけて欲しいのは骨折かなぁ」
普通…かぁ それが難しいんだよなぁ でもいつか治ると思うし それは病気が分かった時から信じてた。
これから色々あるだろうけど 色々な事を経験させてあげよう。
病気だからと 自分達で世界を小さくするのは やめよう。
どんどん小さくなるかも知れない。
でも自分たちで精いっぱい拡げよう。
ぼんやりだけど 生まれてから 2年近く経って 家族の方向が決まったような気がした日だった。
帰りはご褒美の焼肉だ(笑)
診断が確定して何日か経過。
ママちゃんの友達が心配してよく電話をかけてきてくれてたようだ。
診断の結果を心配してくれてたのでママちゃんが報告の電話をする。
どうだった?と聞かれ ママちゃんは
「やっぱりそうだった…」
と号泣したそうだ。
その友達も一緒に泣いてくれたらしい。
その時のママちゃんの気持ちはというと
デュシェンヌ型と確定されたのが悲しいのか
新しい治療がはまらなっかたのが悲しいのか
これから先が不安で悲しいのか
でも、泣きながら何が悲しくて涙が出るのか分からなくなった。
なぜかと言うと 全部の気持ちはもう、少し前に認めて受け入れたはずだから・・・
今さら何を悲しむことがあるのかと思ったら1分後にはスッとした。
1分ほどで泣き止めたのは、今までの2年間のたまもの。
強くなってる。強くなってる!強くなってる!!!
て思ってたらしい。
少し前までは一晩中泣いてたママちゃん 強くなってるよ!(笑)
少しずつ前に進んでる
なにか一つ拾おう
小さなことでも喜ぼう
無理やりだけど前を向いた2歳3か月の頃
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