筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第七話
生まれた総合病院で 検査の数値が異常であることがわかった。
恐らく難病の筋ジストロフィーであると診断された。
出産時には色々あったけど 結果的に総合病院であった事が ママちゃんと赤ちゃんの命が助かったんだと思う。
病院には感謝だ。
モヤモヤする時もあったけど 前に進もうと思った。
前に進むしかない。
これまで ずっと赤ちゃんと呼んできたけど そろそろ名前がいるよね(笑)
あくまでブログの中の仮名だけど 真面目に考えた。
命名 ふー君
ふー君は、母乳とミルクで育った。
哺乳瓶を口から抜くと 鯉が餌を貰う時みたいにお口をパクパクさせてた。
それが面白くて何度もやると ずっとパクパクしてた(笑)
日を追うごとに まるまる大きくなっていった ふー君だ(笑)
よく飲んでよく寝るすごくいい子だった。
首が座ったのが 四ヶ月半頃 比べるのは嫌だったけど 同時期に生まれた子は みんな首が座ってて 心配だった。
おじいちゃん おばあちゃん達も 暖かく見守ってくれた。
寝返りは五ヶ月の頃 ふー君は コロコロ太り気味でなかなか寝返り成功できず その姿に癒された。
寝返りを打っても 顔が布団にめり込んでて 焦った(笑)
生まれて半年ぐらいたって ふー君の成長を見る度に
本当にそんな病気なのかな・・・
もしかしたら 違うのかな・・・
でも他の子は・・なんて やっぱり考えてしまう。
普段接してたママちゃんは もっと考えただろう。
総合病院の小児科の先生に教えてもらった筋ジストロフィーの病院があった。
治療というわけではないが Daddy家族が住む場所からは そこしかないらしい。
入院施設や学校等も併設されている施設。
紹介状を書いてもらって行く事にした。
Daddyも一緒に行きたかったけど、仕事があったしママちゃんとお姉さん それにママちゃんのお母さんも 一緒に行ってくれると言うので任せた。
ここからはママちゃんに聞いた話になる。
住んでいた所から電車で約1時間半ぐらいの距離にその病院はある。
行く前にお姉さんからママちゃんへ
「病院には同じ病気の子、人がたくさんいると思う。」
「その時に将来を考え思い悩むのではなく、みんなが治りますように、そう思いながら行こう」
お姉さんには 本当に感謝しかない。
いつも頼りない俺たち夫婦を助けてくれる。
元気が出る魔法の言葉をかけてくれる。
病院にはたくさんの人がいたようだ。
ママちゃんはお姉さんに言われたように ずっとそう思い願ってたらしい。
そして診察室へ
生まれた時からの検査した紙や話を聞いてもらう。
先生はすごく優しかったそうだ。
ママちゃんの話をしっかり聞いてくれて うんうんとうなづいて優しかったみたい。
「検査の数値等から 判断してまぁこの数値なら おそらくそうかなぁ」
「残念だけど 今の所は何もできることはありません」
「でもまた いつでもおいで 」
やっぱり一緒に行けば良かったな。
ママちゃんは辛かったと思う。
帰りに 美味しいものを食べて帰ってきたらしい。
それならええかな(笑)
仕事から帰って 報告を聞く。
ママちゃんは普通に報告してくれた。
生まれた病院、専門の病院 2つに言われたなら そうなんだろうな。
もう認めてたけど 改めてちゃんと受け止めないとなって思った。
6ヶ月を過ぎたぐらいにつかまり立ちができるようになった。
1つ1つ何か できるようになる度に喜んでたな。
7ヶ月になる頃には 伝い歩きをするようになってた。
仕事に出る時なんかに バイバイしてくれたり 帰ってから 遊ぶのが楽しみだった。
1歳2ヶ月の頃には 1人で歩けるようになった。
ゆっくりだけど 少しずつ成長していく姿を見るのが楽しかった。
でも病気の事を考えない日はなかった。
筋ジストロフィー特有の登攀性起立もするようになった。
その頃のママちゃんは毎日辛かったらしい。
無邪気に笑う赤ちゃんを見て よく泣いてたみたい。
一緒にいる時間が圧倒的に長いし ママちゃんも色々な事を考えたんだろう。
お姉さん夫婦やママちゃんの友達が 遊びにきてくれたり、連れ出してくれたり 支えてくれてた。
2歳になった頃 お姉さんから ある大学病院の話を聞いた。
筋ジストロフィーの研究をされている教授の話を聞いた。
近辺では1番進んでそうなことや、研究もされている事。
なにか出来る事があるんじゃないかと思った。
なにかしたかった。
時間がもったいなく感じていた。
その教授は小児科の教授さんでママちゃんと 1度話を聞いてみようと思った。
仕事を休みをもらって大学病院レッツゴー♪
小児科の診療時間だけを調べてた。
何も分からず受付へ行く。
色々事情を説明する。
紹介状はありますか?って聞かれたけど
「ありません!」
自信満々に答えた。(笑)
無知って恐ろしいね(笑)
すこし困った様子だったけど 小児科に案内された。
同じ病気なのか 車椅子の子も 何人かいて あの子もかな…あの子もかな…なんて 緊張してた。
紹介状もないし、予約もないから 当然最後だった。
朝1番ぐらいに行ったけど お昼なんて とっくに過ぎてた。
名前を呼ばれて診察室へ
この人が教授さんか…怖い固いイメージだったけど 優しい笑顔で迎えてくれた。
「紹介状ないの?よく来たね(笑)」
笑いながら言ってた(笑)
紹介状システムもよく分からんDaddy夫婦だった。
これから先 ふー君がお世話になる病院との出会いだった。
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