筋ジストロフィーの息子と共に生きる父のブログ 第23話
支援学級の先生もノリノリの男の先生に変わり毎日ビシバシと怒られてるらしい。
体操服に着替えたり次の授業の準備をしたり、十分間に合うのにお喋りし過ぎで間に合わない事もよくあったそうな。
教室について自分で教科書など準備する。その時もずっとお喋りしてるようだ笑
授業中もお喋りで怒られる事もたくさんあるみたい。
小学校は教室は2階より上の階にある。
毎日階段を登ってリハビリ。
使い過ぎず使わな過ぎずなので 無理はしないけど できるだけ登る。
リハビリの先生が少し足首が固くなってきていると言ってた。
その影響なのか、歩き方がぎこちない。
こうして関節の動きが悪くなり徐々に歩きにくくなっていく。
お風呂で温めて そのあとにマッサージをするといいそうだ。
2階の教室まで12段。ゆっくり時間をかけて自分で登る。
走り回る子もいるので 先生が見守りながらふー君のペースで頑張る。
ある日 家に帰るとママちゃんに怒られて泣いているふー君がいた。
お喋りが酷くて 廊下に立たされたそうだ笑
ママちゃんは実は嬉しかったみたいだけどケジメとして怒ったらしい。
立たされたって聞いて 思わずニヤケてしまったDaddy。
心の中でそれでいい、たくさんの人と話したり怒られたりしてこい。
と嬉しかった。
プール学習も終わり いよいよ運動会。
毎年恒例のイベントだけど Daddyとママちゃんにとっては とても気合いを入れて参加するイベントでもある。
運動会の競技はまだ2年生なので そこまで出場種目は多くない。
行進とラジオ体操と徒競走とダンスと障害物競走。
1年生の時は車椅子を使用すること無く参加できた。
1年生の時より病状が進んでいる。学校側で用意してくれた車椅子を使って参加するのか ふー君本人も含め 何度も相談した。
1年生の時は徒競走が遅いのが目立つぐらいで 残りは大丈夫だった。
でも運動会が終わった後、帰ってから 徒競走が遅くて恥ずかしかったみたいで 泣いてた。
ママちゃんも泣きながら褒めてたな。
今年はどうするか 悩ましいところ。
去年と同じに参加するか。
距離を短くして参加するか。
車椅子で手漕ぎで参加するか。
そもそも徒競走は参加しないか。
学校側はまずご家庭で話して下さいとの事で、家で作戦会議だ。
ふー君が忘れてるっぽいので 去年泣いた事、遅かった事ももう一度話した。
忘れてんのかい笑
「去年は遅くて泣いてたけど今年はどうしたい?」
「距離短くするのもありやで」
「足が痛いなら車椅子で手漕ぎで出てもいいし」
「他にも競技に出るから 無理せんでええけど、できるだけ参加しような」
少し弱虫な気持ちのDaddyとママちゃん。
1年生の時 みんながゴールした後 1人でゆっくり歩くような速さで参加してるふー君を見るのは 正直辛かった。
子供が胸張ってるのに そんな気持ちで見てたのだ。
さぁ今年はどうする ふー君
キョトンと、しながら 一言
「え?普通に走るよ?」
ドキドキしながら返事を待ってたDaddyとママちゃん。
やっぱ そう来ますよね 笑
「そっか 全部自分で走るねんな?距離とか短くせんでもいいの?そういうのもありやで?」
「短くせーへん。一緒の長さ走る」
顔を見合わせて 苦笑いのDaddyとママちゃん。
「そうか、ならそれで行こう!遅くても最後まで諦めたらあかんで? ゴールまで最後まで一生懸命な?」
「分かってる 」
本人がやると言うなら 親が逃げる訳には行かない。ダンスも障害物競走も車椅子無しで参加するそうだ。
腹をキメねば 笑
できる事は一生懸命やる。我が家のテーマである。
その他の細かい事は学校にお任せしますのスタンス。
そんな事があって いよいよ運動会当日。
Daddy夫婦、次男すけまる、お姉さん夫婦におじいさんおばあさんの大応援団だ。
みんなで、ゾロゾロと学校に向かい入場行進を待つ。
元気よく行進が始まる。
我が子はどこだとみんなキョロキョロ。
2年生の行進が目の前までやってきた。
車椅子に乗り先生に押してもらい 嬉しそうに手を振るふー君がいた。
そこは車椅子使うんかーい!笑
行進は狭いスペースで進むので もし転んだら危ないということ。
みんなに踏まれちゃいますよ笑 と。
あと、1日の長丁場なので使い過ぎになってもいけないので 行進だけは車椅子でどうでしょうと 学校からの提案だった。
ふー君には、ママちゃんが
「せっかくやから全部自分でやってみたら?」
と言ってみたけど
「行進は車椅子に乗るねん」
と自慢げに話してた。
車椅子も見てもらいたかったんだろう笑
親は複雑やねんぞ!笑
車椅子に乗ってるふー君を見て びっくりする保護者もたくさんいた。
保護者には 直接話してないし 当然か
行進が終わり車椅子を引き上げラジオ体操。
ラジオ体操でも ハラハラするわ笑
1番目はダンス
ダンスは踊りが大好きなふー君の見せ場。
ポンポンを振って立ったり座ったり。
どうしても立つタイミングがワンテンポ遅れる。
4クラスある2年生、曲が進む度に陣形が変わっていく。
走る事ができないふー君の事も先生方はよく考えてくれ、何度も何度も作戦会議をしてくれたそうだ。
何度も変わる陣形、ふー君は最短距離で済むように配置されていた。
それでも曲の間奏が終わるまでに位置につくのがギリギリだったり、転んだりしないかと ヒヤヒヤしながら見ていた。
最後のフィナーレで どうや!と言わんばかりに手を突き上げたふー君。
いい笑顔だった。
この時点でズタボロのDaddyとママちゃん
疲れるわぁ 子供の運動会 笑
徒競走の順番が来た。
自分が出るわけでもないのに、心臓がバクバクしてる。
バラバラに観戦していたママちゃんと合流して見守る。
次々とスタートのピストルが鳴り、ふー君の出番が来た。
よーーーいどんっ!パァアアアッン!
あっという間に置いて行かれてしまう。
それを見て 笑う大人もいた。
一生懸命走るふー君。
親が胸を張らずにどうすると思い手を口に当て 声援を送ろうとする。
すると隣りで
「ふー君 がんばれぇ!」
とママちゃんが叫んでいた。
Daddyも負けずに叫んだ。
それを気まずそうに目をそらす笑った大人
みんながゴールして 1人で走るふー君
数秒の事なんだろうけど、めちゃくちゃ長く感じた数秒。
少しずつ拍手が起こり応援してくれてた。
ゴールして 振り返ったふー君は笑顔だった。
来年はきっと車椅子での参加になる。
病気が治り いつか走れるようになるまで走るふー君の走る姿はお預けである。
障害物競走は 網をくぐったり平均台を進んだり 2年生だし、わやくちゃになるだろうと思っていたので 心配はしてなかった。
予想どおりに わやくちゃになり 目立つ事もなかった笑
お昼のお弁当は ママちゃん、お姉さん、ばぁちゃん達が作ってきたお弁当を輪になって食べる。
みんなに褒められて 嬉しそうに好きなごはんを頬張るふー君。
帰ったら マッサージしないとだね。
これがみんなの前で大々的に車椅子デビューを飾った運動会の話。
お風呂でマッサージをしながら感想を話し合う。
「頑張ってたな、かっこよかったで」
「みんなめちゃくちゃ速かった、来年もみんなと同じ長さ走るわ」
「また来年考えよか 笑」
続く…